市場占有戦略の強化
市場関係者にコート・ド・ボルドーの特殊性を説明し、消費者の皆さまの心にこの新しいAOCを定着させること、これがコート・ド・ボルドー連合の使命です。
そのために、当連合はワイン生産者やネゴシアンと手を取り合い、フランスではまだ新しいアペラシオンであるコートのワインが世界中で高評価を得るように、積極的に攻めていきます。この攻めの戦略が最初の成果をもたらし始めました。
1 販売総括
フランス産赤ワインのAOCで4番目に位置するコート・ド・ボルドーは、国内市場で重要な地位を占めています。輸出面では、優先市場でのPR活動(年間約40回)が成果をもたらし始め、アペラシオンの創設以降、輸出の割合は11%から22%に上昇しました。ボルドーワインの平均輸出割合(全生産量の40%)に追いつくという同連合の目的に近づいたことになります。
全輸出量のうち41% はヨーロッパで、特にベルギーとドイツの市場(輸出先2位および5位)です。ヨーロッパ以外でコート・ド・ボルドーが重要視しているのはアジアで、中国と香港 (輸出先1位) そして日本が挙げられます。またコートのワインにとって非常に将来性のあるアメリカ市場も忘れてはなりません。
2 コートの発展にとって不可欠なインターナショナル・サロン
コート・ド・ボルドー連合は数年前から国内外のワインと蒸留酒の見本市のうち主要なものに参加し、その存在感を高めてきました。連合ディレクターであるパトリシア・ザバルザは次のように言っています。「世界中からワイン関係者が押し寄せる会合に参加して、知名度を上げていかなければなりません。2017年はプロヴァインと香港ワインフェアーに参加します。毎回コートのワイン関係者を配置したカウンターやフリーテイスティングの場を設けます。「その際にワイン生産者やネゴシアンが来てくれることで、参加者との距離が縮まるのです。このように密な交流はコート・ド・ボルドーの本質的なものの一つです」とパトリシア・ザバルザは付け加えました。
3 戦略上のカギ、プレス
コート・ド・ボルドー連合はプレスが果たす重要な役割を認識し、国内外のプレスを対象とした活動、例えばカンファレンス、プレス昼食会、テイスティング会などを今後も続けていきますが、特に広告提携記事を得るための努力を強化します。「広告提携記事を可能な限り獲得し、当連合のワイン生産者をメディアに登場させます。この方法が大きく評価されるのは、私たちのアペラシオンや活動を紹介してくれるのみならず、各ワインにスポットを当ててくれるからです」と、プレス担当のオレリー・ラスクレージュ。 同氏は更に「 同時に私たちのアペラシオンを深く理解し生産者と交流してもらうため、国内と外国のプレスを対象とした新たなプレス・ツアー を計画しています」と語っています。
4 PRの一つの主要軸、教育セミナー
「優先国の消費者や輸入業者に私たちのワインのPRを行うのは、ODG(アペラシオン推進監督地方支部)の役割です」とステファン・エロー。今年も数多くのマスタークラスがそれらの国々で開催されます。ワインのプロに人気があるマスタークラスは、現地に赴いたネゴシアンや生産者の知名度を上げ、新たな販売経路を開拓してくれます。2017年にはハンブルク 、シュトゥットガルト 、フランクフルト、成都等で開催されました。
5 コート・ド・ボルドーのブランドワイン、輸出量増加の秘訣
コート・ド・ボルドー連合創設の際に発表されましたが、輸出率増加のために、コート内のいくつかの栽培地のワインを組み合わせたブランドワインを生みだそうとする動きが活発化しています。コートのワインを提供することの利点をワイン業界の人々に説明するこの試みは、2015年には前年の数倍に達しました。ステファン・エローは「昨年4月にイベントを開催したのも、実はネゴスに、私たちがこの件で明確な戦略ヴィジョンを擁していることをアピールするためだったのです。即ち、コート・ド・ボルドーの名でネゴスのブランドワインを売り出す一方、コミューヌ名入りのアペラシオンでシャトー・ワインを扱う。以降、複数のネゴスの会社と、コート・ド・ボルドーのブランドワインの可能性についての話し合いを重ねてきました。複数のプロジェクトが実現しそうです」と解説します。このようにネゴシアンと再びダイナミックな関係を結び「コートの知名度を上げるためにネゴシアンとのあらゆるパートナーシップを検討する準備ができています」と同氏は続けています。